頚部脊椎症(頚椎症)について

頚部脊椎症(頚椎症)について

頚部脊椎症(頚椎症)についての画像

 頭蓋骨と胸部の骨格を結ぶ首の骨は7つあり、頚椎と言います。各頚椎間には椎間板という組織があり、上下の頚椎を連結しています。

 年齢が進むと、この椎間板や頚椎が少しずつ変形し、脊柱管の中に含まれている脊髄や神経根が次第に圧迫されるようになっていきます。

 これは頚部脊椎症と呼ばれるものです。

 症状     

 首の痛み、肩こり、上肢の痛み、しびれ、感覚鈍麻、手指の動きのぎこちなさ、歩きにくさなどが主な症状です。
 痛みは起床時に強く感じ、身体が温まると日中は楽になり、筋疲労で夕方に痛みが増すことが多いです。


 検査方法   

 X線撮影・脊髄造影(ミエログラフィー)・CT・MRIなどが行われます。

 治療方法   

 薬物治療、装具療法、理学療法、神経ブロック療法、手術療法があります。

  • 薬物治療
    痛み止めとして「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)」を使用します。神経の痛みには「神経障害性疼痛治療薬」、筋肉の緊張を和らげる効果がある「筋緊張弛緩剤」なども用いられます。
  • 装具治療
    局所の安静を保ち、痛みの軽減が期待できる治療法です。
    頚椎カラー等の装具を使用します。
  • 理学療法 (リハビリテーション)
    運動機能の維持・改善を目的に運動・温熱・電気などの物理的手段を用いて行われます。
  • 運動療法
    筋力増強訓練やストレッチ等で、筋力の緊張をほぐして血流を改善したり、痛みの原因となる物質の除去を促します。
  • 熱療法
    組織を温めて血管を広げ、痛みの原因となる物質の除去を促します。
  • 電気刺激療法
    低周波の電気刺激により、痛みを伝える神経の動きを抑えます。
  • 神経ブロック療法
    局所麻酔薬により、痛みが神経を伝わるのをブロックする治療法です。
  • 手術療法
    頚部の前から行う頚椎前方到達法と、後ろから行う頚椎後方到達法があります。